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プロフィール:しずか
ゲオチャンネル映画担当。酒好き、こじらせアラサー女子。年間300本の映画を観ては、大絶賛したり、猛烈にディスったりしています。『ラ・ラ・ランド』のミア(エマ・ストーン)が一人芝居で演じた役名もジュヌヴィエーヴでしたね。なんとまぁ。

9杯目『シェルブールの雨傘』(1964年)

「『ラ・ラ・ランド』を観た人も、これから観る人も。映画史に輝くミュージカルの傑作」

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アカデミー賞授賞式での珍騒動から日が経ってしまいましたが、『ラ・ラ・ランド』はもう観ました?40~50年代のMGMミュージカル映画60年代のジャック・ドゥミ監督作へオマージュを捧げられた意欲作でしたね。MGMミュージカルがどんなものかについては配信中の『ザッツ・エンターテイメント』シリーズ や『ヘイル、シーザー! 』を観てご理解頂くとして、今回は60年代フレンチミュージカルの代表作であり、その年のカンヌ国際映画祭でグランプリ(現在のパルム・ドール)にも輝いたジャック・ドゥミ監督作『シェルブールの雨傘 』をご紹介しますよ。モナム~ル。

超簡単なあらすじ

1957年、フランスの港町シェルブール。雨傘屋の娘で17歳のジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ )と青年ギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)は互いに愛し合い結婚を約束していたが、ギイに兵役の召集令状が届いたことで2年間離れ離れになってしまう。ギイと音信不通になってから、ジュヌヴィエーヴは彼の子どもを身籠っていることを知る。同じ頃、宝石商のカサール(マルク・ミシェル)はジュヌヴィエーヴに結婚を申し込んでいた。母エムリ(アンヌ・ヴェルノン)は裕福なカサールとの結婚をジュヌヴィエーヴに勧めるが……。

ダンスなし、セリフなし、全て歌!

ミュージカルといえば一般的に、突然音楽が流れて歌い出し、みんなで踊り出すようなアレをイメージしますよね。『ヘアスプレー 』みたいなアレです。しかし、本作でジャック・ドゥミはダンスなし、セリフは全て歌という実験的で前例のない演出をしており、「残業できるか?」「今夜は無理です」なんていう会話ですら全て歌詞にしています。

また、ミシェル・ルグランによる劇中曲はどれも素晴らしく、本作での評価を経て『ロシュフォールの恋人たち 』でも再びジャック・ドゥミとタッグを組むに至ります。が、映画の中で役者陣は誰一人として実際には歌っておらず、全編歌手による吹き替えです。ただ、それが分かっていたとしても、戦場の恋人を待ち焦がれて儚げに歌うカトリーヌ・ドヌーヴ の可憐な美しさに胸を打たれない人はいないでしょう。 ※余談ですがカトリーヌ・ドヌーヴ の美声は本作から35年後の『ダンサー・イン・ザ・ダーク 』の中でちょこっと披露されていますよ。

カラフルなファッション、考えつくされた色彩演出

音楽と並び本作のキモとなるのは、何と言っても鮮やかな色彩演出でしょう。<戦争によって引き裂かれる男女の悲恋物語>という『 ひまわり  』並みにキツい背景がありながらも、本作がどこか寓話的な風情を感じさせるのは衣装や美術の隅々まで考えつくされた色彩演出によるところが大きいです。ジュヌヴィエーヴが羽織るコートのピンク、ギイが着るシャツのブルー、二人が踊るダンスホールの内装は燃えるような赤。一方で、ジュヌヴィエーヴに求婚する宝石商のカサールは、明らかに色を持たない人物として登場しています。カラフルでお洒落なファッションが<これぞフレンチポップ!>とばかりに観る者の心を弾ませてくれるのと同時に、その色彩演出は対象を記号化することで暗示的な役割も果たしているのです。

カラフルでお洒落なファッションが<これぞフレンチポップ!>とばかりに観る者の心を弾ませてくれるのと同時に、その色彩演出は対象を記号化することで暗示的な役割も果たしているのです。

再会のカタルシス(※『ラ・ラ・ランド』のネタバレがちょこっとあるよ!)

本作は大きく分けて4つのパートから成っています。愛し合う二人が引き裂かれる<第1部 出発>、ギイが登場しない<第2部 不在>、転じてジュヌヴィエーヴが登場せずギイが打ちひしがれる<第3部 帰還>、そして表記こそされていませんが<エピローグ 再会>の4つです。

第1部では「僕達の子供を作ろう」「女の子ならフランソワーズがいいわ」なんて語り合っていた、無邪気で若い二人。この名前を考えるという行為は『ラ・ラ・ランド』でも再会のシーンを劇的に盛り上げる伏線になっていましたが、本作も男女が引き裂かれる悲恋によってではなく、その後の再会によって観る者の心を揺さぶるのです。時代を越えて愛され続ける、情緒的なラスト10分。<再会>はカタルシスをもたらします。それは<出会い>や<別れ>には起こらない魔法です。 『シェルブールの雨傘 』、観ておいた方が良いですよ。

『シェルブールの雨傘』
  • 制作年 : 1964年
  • 出演  : カトリーヌ・ドヌーヴ ニーノ・カステルヌオーボ マルク・ミシェル アンヌ・ヴェルノン エレン・ファルナーミレーユ・ペレー アンドレ・ウォルフ

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